コストと税金・NISA:手取りを左右するもの
ひとことで言うと
インカム商品は「受け取れる金額」だけでなく、持っている間にかかるコストと、受け取るときの税金で手取りが変わります。NISAを使うと日本の税金が非課税になりますが、外国の税金が残る場合や、NISAで買えない商品もあります。
信託報酬:持っている間ずっとかかるコスト
持っている間、毎日少しずつ差し引かれるコストです。
投資信託やETFには、運用の手間賃として「信託報酬(運用管理費用)」がかかります。年率で表示され、ファンドの財産から毎日少しずつ差し引かれます。
信託報酬のほかにも、投資信託を買うときの購入時手数料、ETFを売り買いするときの売買手数料、監査費用などのその他の費用、ETFの買うときと売るときの値段の差(売買スプレッド)などのコストがかかることがあります。
分配金を受け取る前に引かれているので目に見えにくいのですが、長く持つほど差が大きくなります。
分配金にかかる税金
NISA以外の口座では、分配金に約20%の税金がかかります。
NISA以外の口座(特定口座・一般口座)で受け取る分配金には、原則として20.315%の税金がかかります。
投資信託の元本払戻金(特別分配金)には税金がかかりませんが、これは自分が出したお金が戻ってきただけで、得をしているわけではありません。
NISAで買えるもの・買えないもの
NISAなら日本の税金が非課税に。ただし国内ETF・REITの分配金は受け取り方の設定が必要で、毎月分配型の投資信託や個人向け国債は買えません。
NISAの口座なら、分配金や値上がり益にかかる日本の税金が非課税になります。年間の投資枠は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円です。
非課税で保有できる上限は、購入額ベースで合計1,800万円(うち成長投資枠1,200万円)です。売却した商品の購入額分は、翌年以降に年間投資枠の範囲内で再利用できます。
ただし、成長投資枠でも「毎月分配型」や「信託期間20年未満」の投資信託などは対象外です。ETFやREIT、上場インフラファンドは成長投資枠の対象ですが、実際に買える商品は金融機関によって違います。
個人向け国債は、2026年10月時点でNISAの対象外です。債券に投資する投資信託は、商品ごとに対象かどうかが違います。なお、2026年4月1日から、つみたて投資枠の対象商品の要件が「主に株式に投資するもの」から「主に株式又は公社債に投資するもの」に見直され、主に債券に投資する投資信託も、ほかの要件を満たせば対象になりうるようになりました。
NISAの口座でETFやREITの分配金を非課税で受け取るには、受け取り方を「株式数比例配分方式」(証券口座で受け取る方法)にしておく必要があります。
海外ETFの分配金と「源泉税」
米国ETFの通常の配当には、原則10%の米国税がかかります。NISAでも、この米国税は戻りません。
日本に住む人が受け取る米国ETFの通常の配当には、日米租税条約が適用される場合、原則10%の米国の税金がかかります。ただし、分配金の区分などによって扱いが異なることがあります。
NISA以外の口座では、そのあと日本でも課税されます。確定申告で「外国税額控除」を受けると、一定の限度内で、二重にかかった分を調整できる場合があります。国内の投資信託などで分配のときに自動で行われる二重課税の調整とは、別のしくみです。
NISAの口座では日本の税金は非課税になりますが、米国で引かれた税金は取り戻せません。
国内の投資信託やETFでも、海外の株に投資するものは、ファンドの中で外国の税金が差し引かれていることがあります。
こんな人向き
- 受け取る金額の「手取り」を知りたい人
- NISAでインカム商品を持つか考えている人
気をつけたいこと
- 税金やNISAの制度は変わることがあります。最新の情報は金融庁や国税庁、利用する金融機関で確認しましょう
- 元本払戻金は非課税でも、得をしているわけではありません

気をつけたいこと